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社会保険労務士

【退職勧奨代行サービス 第3部】退職後トラブル対応と証拠保全・再発防止の実務対応     

飯塚匡春

2025.07.08

はじめに

前回の記事(第1部)では、「問題社員」の定義や早期対応の重要性、見極めポイントについて詳しく解説しました。本記事(第2部)では、その問題社員に対してどのように合法的かつ効果的に「退職勧奨」を行っていくか、その具体的ステップと実務上の注意点、さらには「退職勧奨代行サービス」を活用するメリットについて、社会保険労務士の視点から詳述します。

第1章:退職勧奨とは何か?退職強要との違い

      • 退職勧奨は「任意退職の提案」にすぎず、強制ではない

      • 退職強要(違法)と退職勧奨(合法)の明確な線引き

      • 判例で見るアウト・セーフライン

      • 実務上ありがちなNG発言・態度例

第2章:退職勧奨を行う前の準備ステップ

  1. 1. 客観的証拠の蓄積

    • 勤怠不良、業務指示無視、ハラスメント等の記録

    • 日報・始末書・指導履歴の保存方法

    2. 就業規則と人事評価制度の確認

    • 「解雇予備軍」の客観的定義を設けておく重要性

    • 懲戒規定・服務規律の明文化

    3. 社内決裁とコンプライアンスの体制整備

    • 誰が退職勧奨を担当するのか?

    • 代表者・人事・社労士との役割分担

    • 内部不正防止と不当解雇リスクの回避

第3章:退職勧奨の具体的ステップ【面談の流れ】

● 「他の社員への悪影響」が最大のリスク

問題社員の存在が許容される職場では、真面目に働く社員のモチベーションが低下し、「頑張っても評価されない職場」という不信感を生みます。これにより以下のような二次的被害が発生します。

  • 業務品質の低下

  • 優秀人材の離職

  • 職場の閉塞感・内紛の増加

 

Step1:事前通告(通知書の発行)

  • 「ご相談したい件があります」程度でOK

  • 通知書例(社労士監修テンプレート)

Step2:1回目面談

  • 面談の目的は「気づきと自己選択」を促すこと

  • 感情的対立を避ける話法(例:「将来的なご自身のキャリアを一緒に考えましょう」)

  • 社労士・第三者の同席が効果的

Step3:2回目面談(本人意向の確認)

  • 再確認と選択肢の提示

  • 解雇回避努力を示す(他部署異動案、教育機会提示など)

Step4:退職意思の確認と同意書の作成

  • 退職届よりも「合意退職書面」の作成が望ましい

  • 有給消化・退職金等の条件提示

第4章:退職勧奨後のトラブル防止策とリスクマネジメント

  • 退職後の労基署通報・訴訟対策

  • 「自主退職」であっても録音・記録は必須

  • ハラスメント被害者との関係整理

  • 離職票の備考欄と社会保険手続き

第5章:退職勧奨代行サービスを活用するメリットと成功事例

1. 第三者による冷静な進行

  • 社内の私情・人間関係を排除できる

  • 感情的対立を避けてスムーズに合意へ

2. 法律リスクの最小化

  • 弁護士・社労士による法的監修

  • 記録・書面の整備サポート

3. 成功事例の紹介(匿名加工)

  • 例1:業務命令違反を繰り返した従業員の円満退職

  • 例2:勤怠が極端に悪い社員の対応

  • 例3:セクハラ加害疑惑があった管理職の処遇

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第6章:退職勧奨の失敗パターンと回避策

  • 失敗例①:1回の面談で結論を急いだ

  • 失敗例②:上司単独で行い、録音も記録もなし

  • 失敗例③:「辞めた方がいい」といった強要発言

第7章:退職勧奨を成功に導くための10のポイント【保存版】

    • 就業規則・評価制度の整備

    • 問題行動の記録化

    • 面談は複数回に分ける

    • 合意書の書面化

    • 話法・トーンに注意

    • 感情的対立を避ける

    • 第三者(社労士など)の同席

    • 録音・議事録の作成

    • 有給・退職金等の条件提示

    • トラブル発生時の相談先を確保

まとめ:企業にとって退職勧奨は経営リスクの最小化戦略

退職勧奨は「追い出し」でも「懲罰」でもなく、企業と社員の「関係整理」です。問題社員対応を先延ばしにするほど、社内の生産性は落ち、優秀な社員の離職リスクも高まります。合法かつ円滑な退職勧奨を行うためには、専門家の知見と第三者性を活用することが極めて効果的です。

「退職代行」の逆、「退職勧奨代行」こそ、今後ますますニーズが高まる人事戦略といえるでしょう。

付録:退職勧奨に関するよくある質問(FAQ)

  • 退職勧奨は何回まで面談すればよい?

  • 書面化は必須か?

  • 退職金や有給をどう取り扱うか?

  • ハラスメントを起こした社員にも使える?

  • 社内の相談窓口は誰にすべきか?

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