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【2022年新設】人材開発支援助成金「人への投資促進コース」

飯塚匡春

2022.12.12

令和4年(2022年)度より、従業員の育成に積極的に取り組む事業主を対象とした人材開発支援助成金に「人への投資促進コース」が新設されました。

サブスクリプション型の訓練や従業員が自発的に行う訓練への助成ができることなどが大きな特徴となっています。

この記事では、人材開発支援助成金の「人への投資促進コース」の支給の対象や要件、申請の流れを2回に分けて紹介します。

人材開発支援助成金「人への投資促進コース」とは

「人への投資促進コース」では、IT・デジタル分野の人材育成や、従業員の自発的なスキルアップへの支援、能力開発のための長期休暇制度の導入や、定額制(サブスクリプション型)訓練を実施した事業主を助成します。

対象となる訓練には次の6種類があります。

高度デジタル人材訓練 高度デジタル人材育成のための訓練
成長分野等人材訓練 国内外の大学院での講義の受講など
情報技術分野認定実習併用職業訓練 IT分野未経験者へのOFF‐JT+OJTの組み合わせ訓練
長期教育訓練休暇等制度 30日以上連続した訓練用休暇制度の導入、
所定労働時間の短縮・免除制度の導入
自発的職業能力開発訓練 労働者が自ら受講した職業訓練費用の負担
定額制訓練 サブスクリプション型研修サービスの利用

オンラインによる研修(e-ラーニング)や通信制の訓練でも支給の対象となります。またほとんどの訓練が雇用契約の正規・非正規を問わず対象となります。

ただし、情報技術分野認定実習併用職業訓練のみ正規雇用に限定されます。

また、人への投資促進コースの修了後に非正規の従業員を正社員化した場合には、キャリアアップ助成金(正社員化コース)の加算対象にもなり得ます(一部訓練を除く)。

支給対象となる事業主・対象労働者

このコースの受給には、共通してまず次の要件をすべて満たす必要があります。

雇用保険の適用事業所であり、対象従業員が被保険者である
事業内職業能力開発計画・年間職業能力開発計画を作成し、内容を社内周知している
職業能力開発推進者を選任している
職業訓練期間中も、賃金を適正に支払っている
対象者の訓練受講時間が、実訓練時間数の8割以上である
年間計画提出の半年前から、他の従業員を含め解雇等をしていない
同期間の特定受給資格離職者の数が、申請日時点の被保険者数の6%を超えていない
このほか、支給審査にかかる書類を整備して5年間保存している、審査に必要な書類の提出・提示などに対して協力する、5年以内に不正受給の過去がないなど、基本的な共通要件もあります。さらに、助成対象訓練ごとの要件もあります。

人への投資促進コースの対象となる訓練・制度 ①高度デジタル人材訓練

助成対象となるには、まず事業が主に「情報通信業」である、または産業競争力強化法に基づく事業適応計画の認定を受けているなどの要件を満たす必要があります。

該当する訓練は、次のいずれかに当てはまるものです。

ITスキル標準(ITSS)レベル3または4の訓練
情報科学・情報工学および関連する分野を履修する大学への入学
この助成では、大学院への入学は対象となりません。

そしてさらに、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。

実訓練時間数が10時間以上である
OFF-JTでの訓練である
職務に関連した専門的な知識や技能を習得する訓練である
デジタル分野での高度なスキルを習得させる訓練が対象であり、マナー講習など職種を問わない訓練は対象外です。

賃金助成額は、1人1時間あたりの金額です。ただし原則として1200時間、大学での訓練は1600時間が上限です。

経費助成は、訓練の場合は実訓練時間数によって30~50万円と上限額が異なります(大企業は20~30万円)。大学への入学の場合は、1年度あたり中小企業が150万円、大企業が100万円と上限が決まっています。

人への投資促進コースの対象となる訓練・制度 ②成長分野等人材訓練

成長分野等人材訓練で助成対象となるのは、国内外の大学院での正規課程、科目等の履修制度、履修証明プログラムです。

国内の大学院の場合は分野を問いませんが、海外の場合は情報科学・工学やクリーンエネルギーなどに関する理工学分野、経営に関する特定の分野に限られます。

また、海外の大学院での訓練を受ける場合には、日本の大学で学士以上の学位を習得していることなど、対象者についての要件もあります。

さらに「高度デジタル人材訓練」同様、次の要件をすべて満たす必要があります。

実訓練時間数が10時間以上である
OFF-JTの訓練である
職務に関連した専門的な知識や技能を習得できる
助成内容は次のようになっています。

経費助成率 75%
賃金助成額 960円(国内大学院のみ)
賃金助成額は、1人1時間あたりの金額で、1600時間が上限です。海外の大学院での訓練は賃金助成の対象外です。

経費助成の上限は、国内が150万円、海外が500万円となっています。

③情報技術分野認定実習併用職業訓練

情報技術分野認定実習併用職業訓練では、IT分野の未経験者に対し、情報処理・通信技術の業務に関する訓練を、社外機関によるOFF-JTと社内のOJTとを組み合わせて行った場合に助成されます。

主な要件は次のようなものです。

主な事業が「情報通信業」、または社内にIT関連を担う部署やチームあり
対象者が訓練開始時点で15歳以上45歳未満
訓練期間が6カ月以上2年以下、総時間数が1年あたりに換算して850時間以上
総訓練時間数のうちOJTの割合が20%以上80%以下
OJTはITSSレベル2以上の資格または実務経験5年以上を有する者が実施
対象者がキャリアコンサルタント等によるコンサルティングを受け、ジョブカードを交付される
対象者がIT分野未経験かどうかは、キャリアコンサルティングの中で判断されます。

情報技術分野認定実習併用職業訓練の助成内容は下表のとおりです。

経費助成率 60%
(75%) 45%
(60%)
賃金助成額 760円
(960円) 380円
(480円)
OJT実施助成額 20万円
(25万円) 11万円
(14万円)
表中のカッコ内は、売上増加など生産性要件を満たした場合の助成率/助成額です。

経費助成の上限は実訓練時間によって15~50万円(大企業は10~30万円)、賃金助成の上限時間数は1200時間です。

④定額制訓練

この制度でいう「定額制訓練」とは、同額で複数の訓練が受け放題となる研修サービス(サブスクリプション)を活用したものをいいます。受給には次のような要件があります。

労働時間内に実施される職務関連の訓練で、事業外訓練のOFF-JTである
特定の事業主に向けた訓練でない
対象者の受講時間数の合計が10時間以上
受講時間は、たとえば1人が5時間、1人が7時間であれば合計12時間とカウントします。ただし1時間未満ではカウントされません。また、業務に直結しない講習も対象となりません。

定額制訓練では、経費の助成のみが受けられます。

経費助成率 45%(60%) 30%(45%)
カッコ内は生産性要件を満たした場合の助成率です。

対象となる経費は、基本料金のほか初期設定費用やアカウント料など訓練に直接必要となる費用のみです。タブレットやルーターのレンタル料など、訓練に直結しないものは対象となりません。

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