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パワハラ認定の”基準”とは? パワハラの定義と業務指導との違い

飯塚匡春

2022.08.22

パワハラ認定の"基準"とは? パワハラの定義と業務指導との違い

そもそも「パワハラ」とは、どのようなものかご存知でしょうか。

一般的にパワハラの定義は3つの要素から構成されており、優越的な関係を背景とした」「業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により」「就業環境を害すること」とされています。

しかし、これだけではわかりにくいため、法律ではパワーハラスメントの6類型」として、以下1~6のように具体的な行為が分類され、定められています。

パワーハラスメントとして判定される行為の類型

1.身体的な攻撃(暴行・傷害)
2.精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)
3.人間関係の切り離し(隔離・仲間外し・無視)
4.過大な要求(明らかに遂行不可能な業務の強制)
5.過小な要求(能力や経験と見合わない仕事を命じることや、仕事を与えないこと)
6.個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

※注意:1~6がすべての類型を網羅しているわけではありません

義務の内容をまとめると【パワハラに該当する"基準"とは…?「業務指示」「指導」との違い】

その行為が「パワハラ」に該当するのか、はたまた、適切な「業務指示」や「指導」に該当するのか。これを区別するポイントは、部下への愛情のために言ったことなのか、嘲笑するために言ったことなのか」といった、目的の違いが挙げられます。

たとえば、部下が危険な工事現場でよそ見をしながら歩いていたとします。頭上では鉄骨がクレーンで持ち上げられようとしている・・・。そんな状況を見た上司は、たまらず「バカヤロウ!あぶねーだろ!」と叫びます。

この「バカヤロウ!」という言葉だけを取り上げれば、パワハラ(精神的攻撃)に該当します。しかし、その状況を見れば、「部下の生命を守りたい」という一心で言ったことであり、パワハラでないことは一目瞭然です。

 

一方で、初めてやらせる仕事が上手くできなかったことに対して、「おまえは本当にバカだな」と言った場合、これはパワハラに当たる可能性が高いです。

 

このように、どこまでが業務上の指導で、どこからがパワハラとなるのか、会社や管理職の方々が知っておくことは、とても重要になります。

 

「パワハラの基準がわからなくなってしまいそうだという方は、人事院が作成している「パワー・ハラスメント防止ハンドブック」に掲載された内容も参考に、判断してみてください。

最後に

今回は、「パワハラの定義」並びに「パワハラと指導の違い」についてお届けしました。部下との関係を良好に保てるように、ポイントを押さえて活用していただければ幸いです。

 

次回は、「義務違反をした際に負う責任」「パワハラが発生した際の損失」について解説いたします。パワハラを起こさないことが一番ですが、万一発生してしまった場合に備えておきたいという方は、是非ご一読ください。

 

社会保険労務士法人ADEPTは、人事担当者や従業員が抱えている問題に対して解決するために、
様々な視点から解決方法やノウハウなどを取り上げて参ります。

 

引き続き、社会保険労務士法人ADEPTをどうぞよろしくお願いいたします。

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