事業再構築補助金は、コロナ禍による経済状況の変化に対応するために、中小企業の事業再構築を支援し、日本経済の行動転換を促すことを目的に国から交付される補助金です。対象者は中小企業と中堅企業、NPO法人や一般財団法人等で、中小企業は1社あたり最高6,000万円(補助率3分の2)、中堅企業であれば1億円(補助率2分の1)の補助を受けることができます。
今回は、2021年3月から公募が開始された今注目の事業再構築補助金について、申請のために必要な書類やステップをまとめてわかりやすく解説します。申請にはそもそも次の3つの要件を満たす必要がありますので、応募を考えている事業者はさっそく確認してみましょう
申請要件
- 2020年10月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1~3月)の同3ヶ月の合計売上高と比較して10%以上減少していること(例:2020年11月、12月、2021年2月と2019年11月、12月、2020年2月を比較)
- 新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編のいずれかに取り組むこと
- 認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること
事業再構築補助金に必要な書類
事業再構築補助金の申請に必要な書類はそこまで多くありません。といっても、初めて申請する方は、要項を読んでどの書類が必要なのかを調べるだけでかなりの手間となるでしょう。事業再構築補助金(通常枠)に必要な書類一覧は次の通りです。
必要書類一覧
- 事業計画書
- 認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書
- コロナ以前に比べて売上高が減少したことを示す書類
- 決算書
- ミラサポplus「活動レポート(ローカルベンチマーク)」の事業財務情報
- 海外事業の準備状況を示す書類(卒業枠(グローバル展開を実施する場合に限る)・グローバルV字回復枠のみ)
- 緊急事態宣言による影響を受けたことの誓約・売上高減少に係る証明書類
- 2021 年 1 月~3 月のいずれかの月の固定費(家賃+人件費+光熱費等の固定契約料)が同期間に受給した協力金の額を上回ることを証明する書類
- 審査における加点を希望する場合に必要な追加書類
応募要領に作成動画情報が追加された「ミラサポplusの財務情報」とは
事業再構築補助金の第2回公募の際に、要領にミラサポplusの財務情報を取得する動画のURLが追加されました。おそらく多くの事業者から筆問があったためだと考えられます。
先ほども説明したとおり、ミラサポplusは、経済産業省と中小企業庁が運営している中小企業に対する補助金や助成金などの支援について、わかりやすくアナウンスしているWebサイトです。当サイトを利用して事業再構築補助金の申請に必要な資料の作成が可能です。
〇ミラサポplusに登録するとできること
ミラサポplusに会員登録すると、サイト上で中小企業が利用できる補助金・助成金など国からの支援内容を簡単に検索することができます、また、支援者・支援機関の検索、利用した事業者の事例検索、電子申請のサポートが行えます。
事業再構築補助金では、「電子申請のサポート」サービスを利用して出力した「財務情報」のPDFデータを電子申請の際に添付します。
〇GビズIDの取得とミラサポplusの会員登録
会員登録をする際に、業種や会社規模などの条件はありません。法人・個人事業主問わず、誰でも利用可能です。まずは、GビズID(経済産業省が提供するサービス。1つのアカウントでさまざまな行政サービスへのアクセスが可能となる事業者向け認証システム)のアカウントを取得した上で、中小企業庁のミラサポplusサイトからミラサポplusの無料会員登録をします。
会員登録の方法は、
- サイト上の「ログイン・登録」ボタンをクリックする
- 「会員登録はこちら」をクリックする
- メールアドレスかSNSアカウントを使って登録するかいずれかを選択する
だけの簡単なものです。メールアドレスとパスワードでご登録された場合、仮登録メールが入力したメールアドレス宛に届くので、案内に沿って登録をします。
まとめ
膨大な書類の準備は必要ですが、補助金の申請サポートを依頼することで、自社についてさまざまな分析を行うことにより、新たな可能性を発見したり悪いところを改善するきっかけとなったりすることも事実です。
事業再構築補助金は申請要件も厳しくなく、新型コロナウイルスで経営に打撃を受けた事業者であれば、ほとんどの中小規模の事業者が申請可能です。せっかくの機会ですので、外部の専門家のサポートを受けながら、自社の事業を抜本的に改革するきっかけとして、補助金を利用してみてはいかがでしょうか?
最低賃金・賃金の引上げに向けた生産性向上等の推進と、勤務間インターバル制度の導入促進、就職氷河期世代の活躍支援に関しては、要求額が増えているので、1月にどのような閣議決定がなされるのか、注目しておきたいところです。