令和2年度第3次補正予算「事業再構築補助金」第2回公募(7月2日締め切り)の採択結果が公表されました。
応募数は20,800者(要件を満たした申請件数18,333者)で、厳正な審査の結果、9,336者が採択されています。
今回は、公表された内容をもとに、事業再構築補助金を活用して各業種でどのような取り組みが行われているのかを探っていきます。
事業再構築補助金 採択数の内訳
採択数9,336者の内訳
・通常枠:5,388者
・卒業枠:24者
・緊急事態宣言特別枠:3,924者
第2回公募結果では、公表されたなかに中堅企業対象の「グローバルV字回復枠」の応募数・採択数はありませんでした。
事業再構築補助金 業種別の採択事例
小売業の事例
- パーソナルジュエリー専用オンラインオーダーサイト構築・事業展開
- 無人店舗・IoT冷蔵庫を活用した日本酒香港ECプラットフォーム事業
- シングル・共働き世帯を応援!ハウスクリーニング業への業種転換
- 鞄小売店が挑む感染リスクを減らすドライブスルー唐揚げテイクアウト店
- 化粧品専門店が創めるヨガスタジオ
- 中古建設機売買業から絶景コテージ型グランピング宿泊施設へ新分野展開
- アパレルから介護用品へ、毛皮縫製技術を次代へ繋ぐ自社工場化の計画
小売業は外出自粛で店舗販売が落ち込んだため、ECサイト販売事業を始めるというケースが多くありますが、そのほかにも、これを機にDX化をすすめる、新しい生活様式に対応したビジネスをはじめてみる、地域貢献のため地域で必要とされる取り組みへ事業転換するなどが多く採択されてました
飲食業の事例 宿泊業の事例
飲食業の事例
- 道北最大の飲食店グループによる挑戦!!地産地消プロジェクト
- ECの整備と新メニュー開発によるターゲット層の拡大
- 販路拡大の為のセントラルキッチン(精肉加工場)体制の構築
- レストラン事業からミールキット製造販売への新分野展開計画
- レストランから【持ち帰り専門店と青森初発酵料理教室へ】転換事業
飲食店の分野では、主にデリバリーやテイクアウトの開始、テイクアウトやEC専用の新メニュー開発、個室対応のための店舗改装などがみられました。セントラルキッチン方式の導入も多々あり、食品ロスの解消とコスト削減などに取り組むとしています。
宿泊業の事例
- 泊食分離とワーケーションをミックスした温泉旅館における長期滞在の推進
- グランピング場開設による新しい宿泊顧客層の開拓
- 観光客向けリゾートコンドミニアム型ホテルからコワーキングスペース併設型ホテルへの転換
- ユニバーサルツーリズムを実現する旅館への再構築事業
- 災害に強いホテル施設での児童発達支援・放課後等デイサービス
現在アウトドアブームの加速で「グランピング」に注目が集まっていることから、グランピングビジネスの採択事例がいくつもありました。また「ワーケーション」、「コワーキングスペース」、「リモートワーク」といったキーワードを使用した事業が多くみられました。
それら以外では、宴会場を改装して児童発達支援・放課後等デイサービスを開始し地域貢献を目指すもの、これまでのように団体客をターゲットにせず、ユニバーサルツーリズムを前提に高齢者や障がいを持つ方、その家族などの個人客を新分野のターゲットとすることで、旅館運営の効率化・スリム化を図るといった取り組みもみられました。
サービス業・その他の事例
- セルフエステとオンライン配信を組み合わせ非対面サービスの提供
- 男性のための『脱毛・フェイシャルボディケア』施術事業への新規参入
- オンライン型研修システムの構築による非接触型ビジネスモデルへの転換
- オンラインパン教室+焼き立てのSampleパンのお届け
- バレエ・ヨガのオンラインレッスンサイトの構築と運用
- 料理教室からオンラインでの食品製造販売事業へ転換
コロナ禍で健康に気をつかう人が増えたということで、フィットネスや美容などの分野で、オンラインサービスやプライベートサロンの開設、男性を対象とした新たな美容サービス事業開発などの採択事例がありました。
ほかに、学習塾や音楽教室、料理教室など対面の教室事業のオンラインラーニング展開もあり、コロナ禍において拡大するオンラインサービスの需要を捉えた取り組みが多くみられました。
まとめ
事業再構築補助金は現在第3回公募期間中で、9月21日の18時に締め切りとなります。第3回公募の後、さらに2回程度の公募を予定しているとのことで、まだ申請の機会はあります。
事業再構築補助金では、コロナ禍による社会変化に対応して、事業の再構築に取り組む企業を支援しています。これまで通りのサービスに限界を感じている、このままでは事業の継続は難しいとお悩みの皆さまは、こういった制度の活用をご検討ください。